Archive for April, 2009

ジュリー・クリスティー

April 29th, 2009

Rimg0021 カナダ人女優サラ・ポーリーが監督した「Away From Her」をDVDにて鑑賞。すると、いきなりタイトルバックにJulie Christieと出る。読み間違えでなければ、「ドクトル・ジバゴ」などで有名だったイギリスの女優ジュリー・クリスティーだろうか。本編が始まり、目尻の小じわは目立つものの、ちょっと愁いを含んだ顔はまちがいなく彼女である。熱心なファンだったわけではないが、当時好きだったダーク・ボガードが出ていることもあって「Darling」を観た覚えがある。確かに美人なのだが、骨張った顔に焦点が定まらないような薄いブルーの目は、若造だった僕にはちょっと手に負えないタイプに見えた。今思えば、60年代、やはり人気があった男優ピーター・オトゥールもそうだったけど、「あっち側とこっち側を行き来してそうな」顔なのだ。それにしても、67才でこのスレンダーな体型を維持する姿勢はナイスだ。その上に年と共に表情も軟らかくなり、昔より色気がある。そんな彼女が演じるのは、自ら進んで養護施設に入所するアルツハイマーに罹った人妻。妻思いの旦那は、大学教授時代に女子学生と浮き名を流した負い目もあってか、とても献身的。やがて、妻はわざと記憶をなくしたふりをしているのではないかと疑惑を持つ旦那。いやはや、ジュリー・クリスティーってやっぱりつかみ所がないのだ。そういえば、90年代だったかイギリスのロレイン・ボーエンという女性歌手がその名も”Julie Christie”というドリーミーな曲を唄っていたことを思いだし、引っ張り出してみた。そしたらやっぱり歌詞にこうありました、”She makes me go misty”。45年連れ添っても、夫婦ってやっぱり霧の中なんだろうか。それも、悪くないかもしれないが。

Saw chair

April 29th, 2009

Cha Mail11966年にデザインされた「座面が浅く、後ろ脚が非常に長い」という不思議なバランスのイージーチェア「Saw chair」を紹介しました。
縄の張力を利用することで、ビスを使わずに組み立てられるユニークな構造はとても印象的で、オススメの一脚です。更新アイテムページ >>

KGアンプ

April 27th, 2009

Rimg0050-1 almost ENOUGH展がスタートした。organではENOUGHの新しいプロダクトを中心に展示し、シャンブル三宅602号室ではgraf STANDARD展とYABUさんのドローイング展をやっている。シャンブル三宅は大橋から歩いて15分、住宅街にあるマンションということで、少々わかりにくい場所なのだが、たくさんの方に来ていただいてうれしい限りである。grafの家具やプロダクトが、YABUさんの絵と面白いマッチングを見せていて、とても良い雰囲気を醸し出している。そんな空間を気持ちのいい音で満たすのは、grafの真空管アンプである。去年organで初めて展示会をやったときにはベージュ色のパネルだったのだが、今回はチャコール・グレイのヴァージョンだ。パワースイッチ&インジケーター以外にはヴォリュームつまみだけというシンプルさも良い。でも、なんといってもその素直な音像には驚いてしまう。僕は昔から、オーディオにはあまりこだわらない方だった。なんとなくデザインが気に入ったこともあり、学生時代新宿のオーディオ・ユニオンで中古のLUXのアンプを手に入れたくらいで、もっぱらソフトの方を重視していた。それも、低域と高域をめいっぱい上げ、つまりドンシャリ状態にしてヘッドホンで聴いていた。最近はもちろん、そんな聴き方はせずフラットな状態でぼんやり聴くことが多いのだが、KGアンプを通した音は歴然と違っている。ドラムのリムショットの音などが実にリアルに、かつ繊細な響きとして耳に届くのである。しかも音源はI- PODなのだから、もうマジックとしか言いようがない。先頃亡くなったブロッサム・ディアリーの歌声が胸に沁みるようだ。

「Into The wild」

April 25th, 2009

Into The Wild ショーン・ペン監督の「Into The wild」をDVDにて鑑賞。80年代、遅れてきたヒッピーみたいな青年の「森の生活」へのあこがれが実話を元に描かれていて、なんとも言えない後味の映画だった。何とも言えないというのは、つまり荒野でたったひとり餓死する主人公が案外悲惨でもないような気がしたからである。優秀な成績で大学を卒業し、親の期待に背いてドロップアウトし、放浪を続けてあこがれのアラスカでたったひとり自給自足の生活を果たした彼は、決して不幸ではなかったはずだ。直接的な死につながったのは、野生植物図鑑を見誤ってしまい、毒性のある野草を食べてしまったからであり、他人のせいには出来ない。その昔、70年代初め頃、年上のいとこが諏訪之瀬島で短い生涯を終えたことがあった。同じ高校の3年上だった彼は、成績優秀だったが、大学受験の前夜四国の寺へ僧侶になるといって出奔した。その後、インドへ渡り、中近東ではイスラエルのキブツで世界中から集まった若者と一緒に労働をし、サハラ砂漠ではベドウィンの民と生活を共にしたりした。そして、アメリカを横断し、日本へ戻ってからは北海道のコミューンなどを転々とする生活だった。丁度東京で貧しいバンド生活を送っていた僕の下宿へ立ち寄ってはゴダールの映画を一緒に観に行ったりした。カウンター・カルチャーの話などをポツリポツリとしてくれた物静かな顔を今でもはっきり思い出すことが出来る。そんな彼の訃報を電報で知らされたとき、とっさに、自ら命を絶ったのでは、と思った。その後、海で泳いでいた際に心臓麻痺で亡くなった旨を叔母さんからうかがって少しだけ救われた気がした。彼の生涯は短かったけれど、決して不幸だったとは思えない。身の回りのものだけ詰めたナップザックには、分厚いベルグソンの本がいつも入っていたっけ。

もうじきデザイニング展

April 20th, 2009

333 気が付くと、もうじきデザイニング展だ。今回は「almost ENOUGH EXIBITION」というくくりでいろんなイヴェントをやることになり、たくさんの方に参加していただくことになった。準備もけっこう大変だったけれど、それも一段落付き、今はとても楽しみだ。去年はENOUGHというユニットで初めて参加したにもかかわらず、予想外のアワードもいただいた。「靴のままの生活」などという提案が、すんなり受け入れられるとは思わないが、息長くやれれば幸いだと思う。嬉しかったのは、grafの服部さんのエールだった。実は、5年ほど前になるだろうか、大阪へ出向いて彼に「靴のままの生活」プランを提案したことがあった。結局実現はしなかったものの、その後も何かにつけて関わってくれるのは、とても励みになっている。今回は家具職人、荒西さんもgraf初期の傑作「バウ棚」の1/5スケールのミニチュアを作るワークショップに参加してくれる。服部さんもENOUGHの田中さんのワークショップ「HOW TO IMAGE」に参加してくれるという。怪しい関西弁を喋る田中さんは一時大阪で生活していたこともあり、2人はなかなかのオッド・カップルであるから、当日どんなことになるのか今から恐い、いや、楽しみである。フィナーレを飾る最終日のトークセッションにも参加していただく。というか、日本初といってもいいインディペンデントなクリエイティブ・チームを育てた人物に、この際じっくりお話をうかがってみたいのだ。トーク終了後は、そのまま交流会を兼ねたパーティーへ突入する。服部名物「チカッパ握手」が体験できるかも。みなさんも、よかったらぜひいらしてください。先着30名様にgraf特製データROMをプレゼントします。

もうしばらくのおつきあい

April 14th, 2009

Rimg0002-2 サプライズ・パーティーに遭遇した。60回目の誕生日を、こんな風に迎えるとは思っても見なかった。親友のKさんから「家族と一緒にご飯を食べよう」と誘われ、何の疑問も持たず、長年行きつけの店のドアを開けると、そこには懐かしい友人や、遠来の人、苦しい時一緒に酒を飲んでくれた人たちの顔があった。考えてみると、一人っ子としてワガママ放題に育ち、唯一の悩みは遊び友達の確保だったと思う。なにごとも自分中心に、いろんなオモチャを用意して、なんとか家へ遊びに来てくれるように腐心した子供だった。今やっていることも、その時分と同じようなことなのかもしれない。やれ家具だ、デザインだといいながら、要は誰かを巻き込みたい、そして思う存分一緒にいたい、という思いがあるのだろう。そのうえ、ある瞬間が来ると飽きてしまい先に寝てしまう、というなんとも身勝手な面がある。そんな男におつきあいいただいた人たちが一斉に目の前に居てくれる。感無量なんて言葉が胸をよぎる。何年後かは知らないが、自分がさっさと寝てしまうまで、もうしばらくのおつきあいを願うばかりだ。

社長シリーズ

April 11th, 2009

Rimg0001-1 先日YABUさんが来て、夜は彼の手料理と酒になった。つまみは持参してくれたDVD「社長洋行記」。前回会ったとき「社長シリーズ」の話をしたら、その後さっそく何枚かレンタルしたようで、いまではちょっとしたファンである。案の定フランキー堺が演じる怪しい英語を喋る日系2世にやられたようだ。昭和30年代には屈指のジャズ・ドラマーだったフランキーは、そのリズミカルで軽妙な演技で映画界に進出し「幕末太陽伝」などで人気スターとなったのだが、後年NHKテレビで演じた向田邦子原作のドラマ「あうん」での頑固な父役も良かった。シリアスな役でもペーソスを感じさせるところが彼の魅力だったと思う。それから、もちろん三木のり平だ。「パーッといきましょう」という言葉が流行語にもなったこの稀代の喜劇人を見ながら、YABUさんは「植木等はこれの発展系ですかね」などとつぶやく。本名、田沼則子は「たぬま ただし」と読ませるらしく、おかげで女性と思われ徴兵検査をまぬがれたという、冗談のような逸話が残っている。恒例宴会シーンでの奇天烈な踊りは、可笑しみと悲しみが同居した独壇場で、森重久弥や加東大介という芸達者を食ってしまっている。聞き書き本「パーッといきましょう」を読むと、そんな「社長シリーズ」での人気沸騰振りに、本人は「あんな、くだらない映画なんて・・・」、と内心では思っていたという。新劇の役者だという矜持を終生もった舞台俳優だったのだ。自分が思っても見なかったところで評価されるのも人生ってものなのか。ところで、YABUさんにいわせると、社長シリーズは女優に品があっていいらしい。例えば新玉美千代だが、はかなげだけど実はしっかりもの、と確かに女ぶりがいい。やはり、画家の目だ。

graf オリジナルブレンドティーが入荷しました

April 10th, 2009

Suche大阪のgrafのオリジナルブレンドティー”suchea(スーチェ)”が、店頭に入荷しました!
スーチェとは中国語で『四絶』と書き、色・形・味・香が揃った上出来のお茶のことをいうのだそうです。はじめてこの紅茶をいただいた時には、ほどよいフルーティーな香りと渋味、甘味すべてが共存したバランスの良さに感動しました。紅茶派のみならず多くの人をうならせる本当に美味しい紅茶です。これまではgrafでのみ味わえたこの紅茶が、いよいよorganでも販売開始となりました。リーフタイプとティーパックタイプがあります。是非試していただきたいアイテムです。ご来店、お待ちしています。
ホームページからの商品確認、購入はこちらのページから。

ALMOST ENOUGH EXHIBITION

April 9th, 2009

ALMOST ENOUGH EXHIBITION APRIL 24TH FRI - MAY 6TH WED

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風薫る季節になりました。気がつけばorganをスタートして10年、ひとえにみなさんのおかげです。そこで、24日からゴールデン・ウィークまでの期間、様々なイヴェントを企画しました。詳しくは、ALMOST ENOUGH EXHIBITIONのページをご覧下さい。みなさんのご参加を、心よりお待ちしています。

ALMOST ENOUGH EXHIBITION >>

ハマクラさんとゲンズブール

April 9th, 2009

Rimg0079-1 久々にぼんやりテレビを見ていたら、昭和歌謡の番組をやっていた。昔から苦手だった演歌はさておき、ポップス系はその時代の空気がみなぎっているようで、けっこう面白かった。ザ・ピーナッツのパンチの効いた唄が持つジャズやポップスへの見事な反応や、ムード歌謡と呼ばれた和田弘とマヒナスターズのモンド・ハワイアンぶりなど、戦後の日本人がアメリカ音楽へ急接近した様がうかがえる。シナトラにあやかったフランク永井の「低音の魅力」というやつも、柔らかなラテンリズムを伴い「口びる褪せねど」などと文語調で静かに歌われると、その工夫の程が案外悪くない。時代が少し進み、由紀さおりの「夜明けのスキャット」あたりになると、エンニオ・モリコーネやフランシス・レイなどのヨーロッパ調が現れてくる。途中、作曲家浜口庫之助にスポットを当てたコーナーがあり、西郷輝彦が「星のフラメンコ」を歌い出すと、「ゲンズブールみたい」と奥さんが反応したのが、案外的を得ているようで可笑しかった。ハマクラさんでとっさに思い出したのが伊東きよ子が歌った「花と小父さん」だ。フランス・ギャルにロリータ・ソングを歌わせたかのようなこの曲を当時テレビで見た高校生の僕は、そのフォーキーでちょっとペシミスティックなメロディにムラムラとした覚えがある。残念ながら、期待したその曲はオンエアーされなかったのだが、その代わりに珍しい映像が流れた。ハマクラさんの最後のパートナーで当時大映の女優だった渚まゆみだ。一瞬かいま見た彼女の面影には、サム・ハスキンスの「カウボーイ・ケイト」にも通じる60年代のコケットな女性像があった。それにしても、数々の色っぽいヒット曲を飛ばしたハマクラさんをセルジュ・ゲンズブールに比するのは強引だけれど、まるっきりの暴論でもないような気がするのだが。