コペンハーゲン、フィレンツェ、パリへ行ってきました。

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 今回のヨーロッパ買付ツアーは、当初14日間の予定が、戻りのチケットが取れず12日間へ短縮、いつもより少しタイトでした。ここ最近、どのエアラインも便数を減らす傾向で、格安チケット席の確保もままならないようです。とはいってもコペンハーゲンまで12時間、SASの旅はなかなか快適でした。着くそうそう、友人宅に預けておいたウェグナーや、ヤコブセンの椅子達を即梱包作業、初日からハードでしたが、程度の良いチークのエイト・チェアや子供用Tチェア、復刻されたクリスチャン・ヴェデルの子供椅子などが手に入り、まずは好スタート。恒例「ロッペン・マーケット(ノミの市)」も相変わらずの盛況ぶり。ルイス・ポールセンのランプや、スチルトン、キャサリンホルムなどをゲット出来ました。今さらながら気がついたのは、バスや地下鉄など公共の乗り物の手すり。どれも黄色で視認性が良く随所にもうけられていて、とても明快。しかも、それが全体にキリッとしたアクセントを与えているところなど、日常生活に役立つデザインの重要さを再確認しました。あっという間に移動日が訪れ、カストラップ空港へ向かうと、出発ロビーにはスワンチェアがたくさん並んでいてとってもカラフル。さすがデザイン立国はプロモーションが上手ですね。
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 今回初めて訪れたのがフィレンツェです。赤い瓦屋根の古い街並みも中世そのまま、世界中からの観光客でにぎわうしっとりとした古都でした。ルネサンスやバロックの名画や彫刻作品をミュージアムで見学したり、細い路地を探索したりと、ひたすら歩き回った4日間。特に興味深かったのは、イタリアで一番古いといわれる印刷術や、革製品などクラフトの世界です。「フィリオ」のクラシカルなグラフィックにふと芹沢銈介を思い浮かべたり、「タディ」の見事な革の小物入れの形にアレキサンダー・ノルの彫刻との類似性を発見したりと、あらためて手仕事の面白さに触れることが出来ました。民芸にしてもそうだけど、世界中に散らばった手仕事の痕跡には、何か共通するモチーフがあるようで不思議な気がします。独自性と普遍性がミックスしているところというか・・・。
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もちろん、食べ歩きも堪能しました。フィレンツェ料理はどちらかといえばしっかり味。素材を生かした素朴な地元ッ子御用達のトラッテリアはお薦めです。そうそう、さすがはイタリア、クルマもキュートです。パトカーはちゃんとアルミホイールを穿いたフィアットで、カラーもビビッド。路地を走り回る三輪オートバイのなんとラブリーなことでしょう。最後の夜、ミケランジェロ広場に登り、暮れなずむ街を眺めて思わずため息を漏らしました。
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 パリではまず、ジャン・ヌーヴェルが設計した「ケ・ブランリ美術館」へ。エッフェル塔を背景にした現代建築です。ただ時間がないため、外観とミュージアム・ショップのみ。それでも、世界中のトライバル・カルチャーを網羅しようとする試みは伝わってきます。「民具が、果たして芸術なのか」、という議論もあるようだけれど、それも結構、大いにやりましょう。先を急ぐ旅人は急ぎディーラーの待つ店へ。小規模ながら、ステフ・シモンのシャーロット・ペリアン展をやっていたのでスツールやランプを買付けました。前から欲しかった肘掛けラウンジ椅子を大いに迷ったのですが、シッピングの手配が付きそうになく、日本に帰ってから連絡を取り合うことに。翌朝はヴァンブのノミの市へ。ここはやっぱり楽しい。その後、クリニャンクールへ。欲しいものはとても高く、ここはもう来なくてもいいと思いました。夜は、友人が北マレに開いたレストラン「うさぎ」へ行き大いに食べ、楽しみました。
戻ったと思ったら、案の定バテ気味。いつもの時差はさほど感じなかったのですが、かわりに「地差」みたいなものがドサッと来たみたいです。同じヨーロッパといっても気候や風土、文化の違いはあるわけで、体がビックリしたのも無理からぬこと。とはいっても、買い付けた商品は、もうほとんど店に並んでます。どうぞ、ご来店下さい。