気がつけば還暦
January 5th, 2009
長年の友人Kさんに、年賀の電話をした。正月は3日から波乗りに行ったらしい。彼はたしか、50才を過ぎたばかりのはず。2年ほど前までLAに住んでいて、そこでやり始めたというから、ずいぶん遅咲きのサーファーである。最近お気に入りのロングボードを手に入れたらしく、極寒の海も平気なのだ。「寒くないか?」という質問をすると、「海に入ってしまえば、福岡はLAの海よりも楽だ」と言う。意外だったのだが、寒流のせいで LAでは7,8月を除けば、ほぼウェットスーツが必要らしい。寒さもなんのその、少しづつ波に乗れるようになる気分は悪いわけがない。そういえば、年末一緒に温泉へ行き、帰りに阿蘇の大観望に立ち寄った。素晴らしい眺望を観ながら「この景色をこれから何回くらい観れるのだろう」、などとついおセンチなことを言ってしまった。彼は「サーファーは、とても良い波に乗れた時、生きている間に一体何回くらいこれより良い波に出会えるのだろう、と考えるらしい」と言う意味のことを答えてくれた。「老いてますますさかん」とは行かないが、気がつけば還暦を迎える年になった。人であれモノであれ、新しい出会いを求める自分でありたいものだ。
案外ナイス
January 2nd, 2009
年末にレンタルした5本のDVDの内、結局ミュージカルは1本、フレッド・アステアで満足した。1週間レンタルと言っても油断は出来ない。結局1,2本見逃したまま返却することが多いので、今年はそんなことがないように、早めに長尺ものから見ることにした。まずは、ボブ・ディランをマーティン・スコセッシがドキュメントした「No direction Home」。のっけから「ライク・ア・ローリング・ストーン」だ。バックを勤めるのはザ・バンドの前身、ザ・ホークス。丁度フォークからポップスへと転向したとされた後の1966年イギリス公演。観客からの激しいブーイングへ「How does it feel?」と呼応するディランの姿は、まるでパンクだ。それにしても、エレキを持ったことが「裏切り」に映るとは、ロック誕生前夜のオーディエンスはナイーブなもの。ジューイッシュ独特のクールさでパフォーマンスするディランはクシャクシャ頭に細いスーツとレイバンのサングラス。当時の彼はスタイリッシュだった。マリア・マルダーのミニスカート姿や、アル・クーパーが「ブロンド・オン・ブロンド」セッションにオルガンで参加した逸話なども面白かった。もう一本は、ずいぶん前に観たスタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」を観直すことに。圧倒的な映像美と精緻な時代考証やコスチュームの素晴らしさに、しばし時を忘れる。なんでも、当時の貴族のお洒落「付けぼくろ」の位置は、ずいぶん研究したらしい。内容は昼メロなのだが、あちこちにキューブリックの毒がまぶされていていっこうに退屈しない。バッハやシューベルト、特に主題を奏でるヘンデルの「サラバンド」もよかった。こうなると、主役がライアン・オニールってところも案外ナイスなキャスティングだったのかもしれない。写真は、今朝、ウチの愛犬がくわえて帰ってきた縫いぐるみ。おなかを押すと「コラ、会社行け!」という声がする。明日から店を開けます。今年も、よろしくお願いいたします。