Archive for September, 2008

ホッピーさえ飲まなかったら

September 30th, 2008

 
Rimg0166-1 先日の東京出張でビオワインの洗礼を受けてしまった。場所は友人のOさん夫妻と夕飯を食べる約束の「ル・キャバレ」。代々木八幡から歩いて10分ほどの所にある。JR新宿駅で小田急線に乗り換えようとしたとき、このまま電車に乗ると約束より早く着いてしまうことに気付き、どこかで少し時間をつぶそうと西口へ出た。学生時代、青梅街道沿いの中古レコード屋によく通ったなあ、と思いながらも足が自然にガード沿いの方向へ向かい、あっという間に「ションベン横町」の飲み屋街にいた。そういえば、昔たまに来たことがある。バンドの練習を終え、一杯やりつつ音楽談義をするには格好の場所だった。特に金欠の身の上にはありがたかった。今では「思い出横町」などと名を変えた界隈だが、昔通りサラリーマンやおじさん達の天国であることに変わりはない。座って、とりあえずホッピーを頼む。アテは赤貝のひも。なにせ時間があまりない。それにしても、ホッピーというのは何の味もしないのに結構酔ってしまう不思議な飲み物だ。ふと表を見ると、ドアの向こうの雑踏を画家のYABUさんらしき人が通り過ぎたような気がする。まさか、こんな所を歩いているはずはない。ホッピーがもたらす幻覚なのだろうか。早々に店を出て、約束の店へ向かう。この分では少し遅刻だ。ところが、ありがたいことにOさん夫妻は僕らを待っていてくれた。早速ワインにする。まずは、冷えたロゼということになる。ビオらしいシンプルなラベルである。微発砲ですこぶる旨い。鳥レバーのリエットも唸るほど旨い。会話が弾み、ワインも進み、結局4本ほど空けたようだ。こんなに愉快な時を過ごしたのは、本当に久しぶりのこと。あまりの愉快さに、料理のほうは何を食べたかいまひとつ判然としないが、クスクスや、野菜系が多く、どれもビオワインに良く合うあっさり目の味付けがなされていた。それにしても、あの味気ないホッピーさえ飲まなかったら、もう一本は確実に空けていたのに、と思わずにはいられなかった。

アイテム更新ページ

September 26th, 2008

Mv Main新入荷のアイテム、随時更新中です。

“ENOUGH” オリジナル・プロダクト

September 25th, 2008

 東京で開催された展示会”For Stockists”で発表した、”ENOUGH” のオリジナル・プロダクトを今後organのホームページ上でも紹介していきますので、秋から冬にかけてお楽しみに。

Rimg0019-1 すでにorganの店頭ではオリジナル・プロダクトの一部を展示、販売開始しています。
また、”ENOUGH”のリーフレットも店頭で配布中、リノベーションのイメージブックです。
プロダクト、リーフレットともにご覧になりにお越しください。

「ダージリン急行」

September 23rd, 2008

ダージリン急行-1 「ダージリン急行」をDVDにて鑑賞する。インドが舞台なのにのっけからキンクスがかかるし、列車のコンパートメントのシーンは、なんだか「ハード・デイズ・ナイト」みたい。で、いかれた3人がインドにヒーリングを求める旅と来たから、こりゃやっぱりビートルズだ!と勝手に一人合点する。スラップスティックでナンセンスなギャグ満載なところも近し。いわば、「マジカル・ミステリー・ツアー」の成功ヴァージョンか。列車のセットや、マーク・ジェイコブスがデザインしたヴィトンの旅行カバンなど、細部へのこだわりが並ではない。監督のウェス・アンダーソン、てっきりイギリス人かと思いきや、テキサス大学哲学科出身。やはり、アメリカにはヘンテコな人がいる。ついでに、もう少し妄想をたくましくしてみると、ビートルズにしては、一人足りないことに気がつく。誰が不在なのかと考えてみる。おせっかいな長兄はポールだろう。ナイーブな次男はジョージで、やんちゃな三男はリンゴか。ということは、ジョンがいない。ここからは、ほとんど悪のりなのだが、突然死んでしまったオヤジさんがジョンで、残されてヒマラヤの修道院にいる母がヨーコというのはどうだろう。秋の夜長には、こんなターン・オンしたムーヴィーがピッタリだ。おかげでその夜はサイケな夢をタップリ見させてもらった。

椎名其二の評伝「パリに死す」

September 20th, 2008

Rimg0233 椎名其二の評伝「パリに死す」(蜷川謙著)を読んでみた。時代がかったタイトルが示すように、明治、大正、昭和をリベラリストとして生きた足跡はまるでいにしえのロード・ムービーのようだ。1908年、初めてアメリカに渡った彼は、ソローの「森の生活」に心を動かされ、実際に荒れ地で農業をやったりしている。そういえば、ショーン・ペンの新しい映画「Into The Wild」もソロー的な世界を描いているらしい。ソローといえば、大学の教材として読まされ、勝手に「世捨て人」みたいなイメージを持っていた。乱暴に言えば、元祖ヒッピーみたいな人なのだろう。一時もてはやされた「ロハス」なんてのも、ソローの影響なのかもしれない。「虚飾を捨てた小さな暮らし」を求める思想は今こそ有効なのか。しかし、実際の椎名は農業に挫折し、ロマン・ロランへの憧れもありフランスへ渡っている。第一次世界大戦や、ロシア革命が起こった頃で、大正デモクラシーの日本では白樺派の活動が起こっている。白樺派といえば、武者小路実篤の暖簾が実家の台所にかかっていたくらいの認識しかないが、実は柳宗悦もメンバーだったということに最近気がついたばかり。それはさておき、椎名はその後パリでの生活を経て、一時帰国するが再来仏、第二次大戦中は敵性国人として収容所暮らしを経験するもレジスタンス活動で対ナチス運動に関わる。その後、貧しい中でもアナキストとしての自説を曲げず、1962年、75才パリで客死している。とまあ、そこかしこに興味が尽きない内容がいっぱい。それにしても、このところ刺激的な先人達の足跡がやけに気になっている。そこには、与えられた持ち時間いっぱいを使って、今につながっている問題を捨て身で提起した人々が確実に存在しているからだ。

ヴィンテージ・セラミックの更新案内

September 19th, 2008

Ara MainARABIA社のハンドメイド・ウェアや、スティグ・リンドベリの珍しいシリーズ「ベイビー」など、アイテムを更新しました。
新入荷アイテム ページ >>

「セルフィッシュ」

September 18th, 2008

 
Rimg0174 新聞に連載されていた野見山暁治の聞き書きシリーズがとうとう終わった。おかげで、朝の楽しみがなくなった、と思った矢先「セルフィッシュ」という本を手に入れた。野見山暁治の絵に田中小実昌が文章を添えたものである。先月、ROVAで來福した小柳帝さんといつものようにアレコレ話をしていて、ふと野見山の話をした際に勧められたものだ。1990年に限定2500冊出版されたが、初出は読売新聞夕刊の連載だったらしい。ヨミウリも捨てたものではない、ということか。内容は、野見山のドローイングに、所々コミさんの短い文章が入るというもの。描きなぐったような絵と刹那的な言葉のスピード感が凄い。なかでも「お前が死んでいなくなっても、毎日毎日、きょうは昨日になっていく、と。」というフレーズにしびれる。来月は、コミさんも好きだったサンフランシスコへ行くのだ。彼が、当てもなく終日バスに乗っていたという街は一体どんな街なのだろう。

アイテム入荷のお知らせ

September 12th, 2008

89 Main涼しくなってきたこの季節に重宝しそうな、インドのカディコットン・ショールなどが入荷しています。
やわらかで、よい肌触りの布たちは使い出すとクセになるアイテムです。
他にもアメリカ西海岸から届いたジュエリーや、
サンフランシスコからはシティライツ ブックストアのオリジナルグッズが入荷しました。

店頭のみでの販売になるこれらアイテム、どれも実際に試してもらいたいものばかりです。
是非、遊びにいらしてください。

スティグ・リンドベリの珍しいカップ&ソーサー

September 12th, 2008

5280086 O1シリーズ「TERRA」のコーヒーカップ&ソーサーが久々に再入荷しました。
その他入荷したアイテムなど、こちらからご覧下さい

居酒屋「シンスケ」

September 11th, 2008

 今回の東京で楽しみにしていたのは、友人の編集者Oさんとのランデブー。時々福岡に遊びに来てくれるOさんご夫妻だが、考えてみると、東京でご飯を一緒するのは初めて。おいしいものに目がないOさんのこと、期待するなというほうが無理な話である。まずは湯島にある居酒屋「シンスケ」に向かった。大正時代から続いた江戸下町の情緒を残す名店らしく、開店直後に満席になることも多いという。縄のれんをくぐって店にはいると、一番奥の席でOさんはお銚子を傾けていた。予約は出来ないということで、開店前から並んでいてくれたのである。お礼を述べる間もなく「お酒にしますか?ここは両関だけですが、本醸造は辛口、純米はちょっと甘口です」と来た。見ると、テーブルの上には小ナスの淺漬けに芥子が添えられた小鉢が鎮座している。矢も楯もたまらず、ぬる燗を頼み、箸を付ける。
Rimg0116-2 「旨い」としかいいようがない。ナスの甘みと芥子の辛みが混然となって、口が自然に酒を要求する。その後は、Oさんオススメの品々に舌鼓を打ちながら、先日彼が訪れたサンタフェの話に耳を傾ける。以前から一度は行ってみたかった場所が、彼の言葉を通して俄然現実味を帯びてくる。10月、冬の季節が訪れる前ならジョージア・オキーフの家が見学できるかもしれない。イカズバナルマイ。最後にあきらめかけていたチーズの揚巻を運良くいただくと、Oさんは会社に戻るという。これからひと仕事らしい。「飲んで戻ってもだいじょうぶなんですか?」と野暮な事を聞いてしまうと、「赤い顔して戻るので、ばれてます」という返事。こざっぱりしたカウンターで、夕暮れ時ひとりちびちびやるOさんが目に浮かぶようだ。ああ、うらやましい。