Archive for March, 2010

念願かなう。

March 31st, 2010

Rimg0192 大阪へ行ってきた。久しぶりだったこともあって、とても面白かった。信頼している友人達オススメのショップを訪れ、オーナーやスタッフと話をし、様々な刺激を受けることがとても大事なことだと、今さらながら思った。商品構成はもちろん、ディスプレイ、接客(というか、応対)、なによりもその店ならではの「視点」みたいなことなのか。ひとつひとつを挙げるときりがないのだけれど、たとえばgrafで見た岡田直人の陶器。以前から「一二三(ひふみ)」という、直火OKな調理鉢が好きでorganでも取り扱ってきたのだが、今回初めてテーブルウェアをまとめて見ることができた。ヨーロッパ陶器の影響下にあっても、どこか日本、もしくはアジア的な気分が感じられ、とても惹かれた。やはり、白い釉薬というのは奥が深い。白といっても、作家によってその白は自分だけの色なのだ。もうひとつ、やはり陶器作家なのだが、こちらはおもにオブジェ、それも鳥が素晴らしい。以前grafの壁一面を飾っていた鳥たちに魅了され、いつかorganでもぜひ取り扱いたいと片思いしていたRIE ITOの作品だ。北欧陶器に対するバランスの取れた姿勢が感じられ、そのうえに彼女が抽出した造形センス(それもやはりアジアの美意識といっていいような気がする)が加わっているのだからタマラナイ。また、陶器のボタンやブローチなどのアイテムにも確かな手の跡が残っていて、女性ならずともつい触手が伸びてしまいそう。念願だっただけに、取り扱いが始まりとても嬉しい。ただし、ひとつずつ手仕事ならではの作品だけに、店に来て手にとっていただければ、と思っている。

「音のある休日」#21

March 28th, 2010

Shione 湯川潮音 / Sweet Children O’Mine
初めて湯川潮音の歌声に接したとき、我知らずドギマギしたことを覚えている。少女期には聖歌隊で歌っていたという彼女のたおやかな声が、明瞭な日本語となって真っ直ぐに耳に届くと、逃げ場がないような気がした。受け止めたいが、果たして自分に出来るのだろうか?という思いに駆られた。
 ミュージシャンの父のもと、幼少時からアメリカのロックなどに親しんでいた彼女は、今回初の英語によるカバー・アルバムを発表した。「ドント・ウォリー・ビー・ハッピー」など、いつかどこかで聞き覚えのある曲が、フォーキーな演奏をバックに伸びやかに響く。「自我を持ってしまった天使の声」とでも言えばいいのだろうか。癒されるのを待つのではなく、みずから癒す勇気がわき上がってくる。
(西日本新聞328日朝刊)

明日、「YODEL Hütte @ Petrol Blue 」 です。

March 25th, 2010

Rimg0385-1  コージーなスペースで、音楽と旨いワインを片手に一夜のコミューン感覚を共有するイヴェント、3回目となります。今回は、Yodelの取材で訪れたバスク地方のスライドを交えたプチ・トークショーも予定しています。DJはBloomingの小池隆昭をゲストに迎えたENOUGHの面々。お誘い合わせのうえ、ぜひご参加下さい。
@ Petrol Blue 092-714-6786
03/26(Fri) 20:30-After Midnight
Charge 500円、Cash on
dj:小池隆昭(Blooming) 泉哲夫(trouville) 野見山聡一郎(ENOUGH) 藪直樹(YABU)
トーク:武末朋子 武末充敏

「リサ・ラーソン展 @ organ」 ー 日常に寄り添うオブジェ達 開催のお知らせ

March 15th, 2010

Lisa-Platz22010年4月7日(水)- 2010年4月18日(日)
1950年代から活躍するスウェーデンの女性陶芸家リサ・ラーソン。
今回organでは上記の期間、稀少なヴィンテージ作品や鋳型、そして制作過程などを展示し、あわせて現行作品などを販売します。また、77歳になった今も創作をつづける彼女のアトリエを取材して「リサ・ラーソン作品集」(ピエ・ブックス刊)にまとめた写真家、木寺紀雄氏のプリントも展示販売、リサのライフスタイルも紹介!
これまで以上にリサの世界に触れる絶好の機会です。ぜひ、ご来店下さい。
同期間中、大阪にある北欧雑貨の店dieci(ディエチ)さんの素敵な商品が出張販売されます。福岡初です!こちらもお楽しみに
※期間中は、4/12(月)、13(火)も営業します

Rabbit W1-1※展覧会にあわせて
organ限定アイテム”organ rabbit”も発売!
バスクシャツを着たウサギ。スウェーデンとフランスのカルチャーをミックス!なかなか、いや、かなりユニークです。

「音のある休日」#20

March 15th, 2010

Kevin Barker Sleeve 「ユー・アンド・ミー」 ケヴィン・バーカー
 1967年、ニューヨーク近郊の芸術家村ウッドストックにある通称ビッグ・ピンクの地下室で、隠遁中のボブ・ディランはザ・バンドとセッションにいそしんでいた。この地が、その後行われる史上最大の野外コンサートで歴史に名を残すことになるとも知らずに・・・。このアルバムを聴きながら、そんなことを思い出してしまった。
 40年以上の歳月を経てまた、長髪にセルロイドの眼鏡をかけた若者の歌に音楽の力を感じている。その内省的な歌声は仲間と一緒だからこその響きなのだろう。コンピューターに頼らない生身の演奏だ。彼は、自分たちの音楽コミューンのツアー映画も撮っているらしい。観てみたいものだ。
(西日本新聞314日朝刊)

“ANEMONE”と”ROSMARIN”

March 12th, 2010

A.001アラビア社のヴィンテージ。ウラ・プロコペがデザインした「アネモネ」、「ロスマリン」シリーズは、手描きのデコレーションがその都度違っておもしろいテーブルウェアです。各アイテムが再入荷しました。こちらからご覧ください。

公開講座 レポート

March 12th, 2010

baquet.001

少し遅れてフロアに入ると、さっそく参加者がノートを片手にメモをとる姿がちらほら、さすが参加者は心得ているな、と感心する。だって、次々とミカ ドさんの口からこぼれだすキーワードが、こちらの記憶からこぼれ落ちる前にメモりたいのは私もいっしょなのだから。 もちろんそのくらい、今回の公開講座 もとても面白いものだった。サヴィニャックからはじまり、写真家ロベール・ドアノー、映画監督ジャン・ルノアール、アルベール・ラモリスなどなど、モーリ ス・バケとともに仕事をした人々の名前は、フランス好きには周知のもの。ところがミカドさんからは、そんな彼らの交流を語る際にも必ず新鮮なトピックがで てくるから聞き逃せない。そして極めつけ、資料に使われた絶版の写真集やレビュファの書籍が、最後に手に取ってじっくり眺められるのですから、すごくリア ルです。本〜当に、楽しかったですよ。次回もやりましょう。ミカドさん。organ 武末朋子

As is

March 11th, 2010

Img 0184 パリでお世話になってるモダン家具店のピエールさんが、凄いコレクターが近くにいるから紹介しようか、と言ってくれた。ところが、あいにく今日は撮影があっていて、モデルやカメラマンそれにロシアのマフィアもいるヨ、とイタズラっぽく笑った。初対面だと構えてしまうに決まっているから、かえって好都合だと思いお願いすることにした。歩いて5分といっていたけど、最近足を痛めてしまい、杖をつきながらの彼と一緒だからか、けっこう歩いた気がした。着いてみると、雑然としたガレージみたいなところだった。フニャっと曲がったアルミ椅子を指さし、スタルクだとつぶやいた。奥に進むと、古びた壁一面に布袋(実はすべてセラミックで、誰それの作品らしい)みたいなものがかかっていて、その前に映画「トラフィック」に出てきそうなオモチャみたいな車が置いてある。ちょうどランチタイムなのか、化粧をした女性や、スタッフがプルーヴェのスタンダード・チェアに座ってお昼を食べている。黄色でかなり塗装が剥がれているのが5、6脚、無造作に置いてある。座っている人達は、この椅子がマニア垂涎の的だと分かっているのだろうか。すると、黒いスーツを着た2人連れのうちの1人が、突然話しかけてきた。「向こうにある椅子を見たか?あれは、とても珍しいフィリップ・スタルクの椅子だ」と言っているようだ。ロシアン・マフィアは椅子の買い付けに来たのだろうか?オーナー氏は「自分はディーラーではない。すべて見つけたときのままの状態である。リペアなどは一切しないのが主義である」、という旨をくりかえし説明してくれた。僕も”As is”が好きなので、まったく同感である。部屋のあちらこちらに見たこともないオブジェが散らばり、棚には資料や本がギッシリ。パリには色んな人がいるもんだ。次回は、ゆっくり会う約束をしておいとました。

リサ・ラーソンとスティグ・リンドベリのヴィンテージ

March 10th, 2010

Bird Sスウェーデンのセラミックウェア、ヴィンテージ類が入荷しました。
スティグ・リンドベリの「レッドアスター」、「ベルザ」「プルヌス」シリーズ。
リサ・ラーソンのトリたち、などです。
こちらからご覧ください。

「音のある休日」#19

March 2nd, 2010

Mulatu 「ニューヨークーアジスーロンドン」 ムラトゥ・アスタトゥケ
 エチオピアのジャズ、それも1960〜70年代に録音された音源である。様々な楽器をあやつるファンキーで土着的な演奏が、摩訶不思議な雰囲気を伝えてくれる。
 ロンドンやニューヨークへ渡り、当時最先端だったジャズやラテンを独自に吸収したはずなのに、彼のサウンドはなぜかオリエンタル。西洋音階から「ファ」と「シ」を抜いた「ペンタトニック」と呼ばれるメロディーは、我が演歌にも通じるもの悲しげなムードを醸しているようだ
 アフリカからアメリカへ連れてこられた黒人が生みだしたジャズ。それが逆輸入され、ふたたび現地の音楽と混交する。その時、起ち昇るルーツにはドキリとさせられる。
(西日本新聞228日朝刊)